かかりつけ医と多職種連携に関する調査研究事業


 厚生労働省老健局が募集する「令和5年度老人保健健康増進等事業国庫補助協議」において、当法人の提案内容が採択され、標記の調査研究事業を実施いたしました。

《事業実施目的

 今回のCOVID-19によるパンデミックは、地域における医療・介護の一体的提供の必要性とその鍵となるかかりつけ機能の実装の必要性を改めて明らかにした。
  今般、政府は「全世代型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」に提出し、同法案の中で、「地域完結型の医療・介護提供体制の構築」の一環として「かかりつけ医機能が発される制度整備」を目指した医療法改正を予定している。 
  医療法改正案の主な内容はかかりつけ医機能報告制度の創設であるが、法案取りまとめに先立ち報告書が提出され世代型社会保障構築会議での議論にあるように、かかりつけ医機能の外縁は広く、さまざまな機能役割が期待されており、現場の実践の中でも多様な先進的な取り組みがあり、その多くがコロナ禍での地域での医療介護連携に大きな力を発した。
   2040年に向け、要医療・重介護の高齢者が増大していく中で、これまで以上に医療・介護の一体的提供が必要には明らかであり、地域医療構想と地域包括ケアシステムを車の両輪として、医療と介護の一体的展開・地域における医療・介護の水平的連携、これらを実現するための地域医療構想のアップデートと医療介護連携推進事業などとの有機的連携が大きな政策課題となる。その中で、連携のハブ機能を担う「かかりつけ医機能」を、医療機関がケアネジャーや介護事業者と連携しながら地域で実装していくための課題について、地域医療を担う医療者のコロナ禍での実践等を通じて得られた知見や示唆、この間のかかりつけ医の制度化をめぐって展開された有識者との議論を交えながら調査・分析・整理し、政策提言を行うことを目的とする。

《事業概要》

1.郡市医師会アンケート調査

 全国郡市医師会890箇所の医師会を対象に、コロナ禍において構築した病診連携・医療介護連携・多職種連携・在宅医療への取り組みの実情、かかりつけ医機能のあり方についての考え方、政府の取り組み(審議会等での議論)に対する意見等を内容とするアンケート調査を実施しました。

2.先進事例・有識者インタビュー調査

 各地域における先進的取り組み事例やネットワーク、医療界を主導している団体幹部、有識者など、当事者・当事者団体に対し、実践の概要、かかりつけ医機能の実装のた取り組みや医療提供体制のあり方に関する問題意識等について、インタビュー調査を実施しました。

3.1・2から得られた知見を整理・分析し、それらに基づいて、本調査研究テーマに関する医療界の意識変革の方策、先進的取り組みを行っている事例に共通する促進要因、抱えている課題を整理し、政策提言に繋げました。

《報告書》




 ・ 政策提言 .pdf