第44回Think-in:2025年4月24日

  テーマ:「新たな地域医療構想とこれからの包括期/慢性期病院の経営戦略~新たな地域医療構想とかかりつけ医報告制度を見据えて~」

ゲスト:池端幸彦 福井県医師会長/日本慢性期医療協会副会長(医療法人池慶会池端病院理事長・院長)


  池端先生のお話は極めて広範で、診療報酬改定から見る今後の入院医療のあり方、在宅医療の評価、リハビリ、栄養、口腔ケア、新設の地域包括医療病棟に込められた政策当局の思いなど、中医協委員からでなければ伺えないお話も交えながら、地域医療構想における医療機関機能の整理。かかりつけ医・かかりつけ医機能、そしてその中での慢性期医療の担う機能・役割について、わかりやすくお話してくださいました。

  また、ご自身の病院である池慶会池端病院の活動のご紹介もありました。わずか30床の病院でもここまでのことができる、というのは率直な驚きでした。「連携と協働」の重要さを改めて認識させられたお話でした。



第43回Think-in:2025年3月27日

  テーマ:「テクノロジーの貢献によるヘルスケア・未来予想図」

ゲスト:金子達哉 日本アイ・ビー・エム株式会社 執行役員


  「IBMはもはやコンピューターは作っていない。ハードの会社からソフトの会社へと変貌し、今はデジタル技術を駆使したソリューションを提供するコンサルティングメインの会社になった」という発言がありました。

  金子執行役員のお話はとてもわかりやすく、デジタル技術によって何が可能になるのかを実例を示しながらお話しされましたが、おそらくより大事なことは、今可能になりつつあるソリューションの先に想定できるさらに大きな変革の可能性ではないかと感じました。

  人工知能(生成A Iwatsonx)が可能にするであろう未来の医療の姿は、今我々が想像するものを遥かに超えて行く。しかもそのスピードは、これまた我々の想定を超えたものになっていくでしょう。



第42回Think-in:2025年2月25日

  テーマ:「くすりの費用対効果評価と価値評価ー理想と現実のはざまー

ゲスト:五十嵐中 東京大学大学院薬学研究科医療政策・公衆衛生学 特任准教授


  「費用対効果」「価値評価」は、医薬品や医療の世界に限った話ではありません。あらゆる商品、サービスについて言える話です。五十嵐准教授のお話にもあったように、「価値」として何を位置つけるのか、それは測定可能(数値化可能)なものなのか、さらにはそれを金銭的価値で測れるものなのか。いろいろ疑問が湧きました。

  Big ticket Little ticketという言葉があります。技術革新が医療費を押し上げるのか、効率化するのか、という意味ですが、このticketが生み出す付加価値を考えることなしに、そのticketの本当の価値は評価できないと思うのは私だけでしょうか。



第41回Think-in:2025年1月21日

テーマ:「必要不可欠な医薬品の安定供給についてー感染症領域ー」

ゲスト:多賀沙代子 Meiji Seika ファルマ株式会社 広報渉外部  広報G


今回の議論の中で明らかになったように、医薬品の安定供給問題の背景にはさまざまな構造要因があり、根の深い問題です。今回は抗菌薬領域を中心に議論しましたが、後発医薬品、基礎的医薬品、長期収載品、それぞれに異なった問題背景があり、生産・流通過程の課題だけではなく、薬機法上の承認スキーム、薬価算定(改定)ルール、産業構造、原薬調達などサプライチェーン等々、今回のThink-inでは十分尽くされなかった論点が数多く存在しています。

このテーマは健康安全保障に関わる問題です。Think-inで引き続き取り上げていきたいと考えています。




当日の様子と配付資料・参考資料は会員向けフォルダー(臥龍Think-in)に収納されています。


会員の方は臥龍に登録したご自身のGoogle Driveの共有アイテムにある同名フォルダーにアクセスすることでご覧になることができます。